尊いうなぎ様が日本を除く世界中から減っていることに日本が気付くのは、「もうダメだぁ…おしまいだぁ…(王子感)」と嘆いてからでした。
うなぎの生態には謎が未だに多く、産卵場所が特定されたのも近年のこと。
産卵のためにわざわざマリアナまで泳ぎ、産卵して、卵から孵化した稚魚はレプトケファルスとして各沿岸にたどり着くまでの道中でシラスウナギへと変態します。
──と、ここまではおぼろげながら判明しているのですが、「産卵した個体は再び川へと戻るのか?」という成魚の回遊の疑問は未だに解明されていません。
「何故シラスウナギが沿岸で捕れるのか?」の理由もよくわからず、また産卵もどうやって行っているのかわからないまま、捕れるだけの稚魚を捕っていたことになります。
…仮に1匹の成鰻から何匹の子供が産まれると断定できれば、正しい漁獲規制もできたことでしょう。そして国内のシラスウナギは高騰の一途を辿り、ざる1杯でン十万になる一攫千金の対象として漁は抑制もかなわず、更に数を減らしていくことになります。
現在の浜名湖うなぎ事情
現在でも浜名湖にうなぎが居ないってわけでもありません。ただ高知のアカメより狙っては釣れないと思います(流入河川では釣れますが)。シラスウナギも捕れないことないが探す方が難しいって感じ。そっちは天竜川の方が有名です。
天然鰻漁も行われてはいますが、全国的にも年々減少しており、現在は鰻屋ですら口にすることも難しい物になっています。
水産物の養殖物って、総じて天然物よりは脂が乗ってて美味しくなります。うなぎも天然物は腹が黄色くなっていて、天然物と比べるとすぐわかる。筋肉が発達しているため、串をうまく打たないと養殖物より縮小していまい、パサパサの食感になり、食べ比べるとおそらく”養殖物”に軍配があがるのではないでしょうか。
『芸能人格付けチェック』とかありますが、高級品と廉価品では舌が馴染んでしまっている分、大抵の人は廉価品を選びます。こういう場合は大抵”まずい方”が当たりです。
さて現在のうなぎ水揚げ量はというと、静岡県は全国で4位となっており、長年首位だった愛知県も鹿児島に抜かれています。
これは天然鰻の水揚げ量ですが、去年は114t水揚げされています。盛期の水揚げ量はというと1970年代の3000t。1982年の約1900tを皮切りに、それ以降は成魚稚魚ともに減少し続けています。
対して養殖うなぎの水揚げは2014年で1.4万t。日本では年間11万tも消費をしているようなので、10万t近くも輸入に頼っていることになります。
ちなみに世界での水揚げとして日本は2位。1位は中国で、日本のおよそ20倍近くになります。最近の中国は見せかけの株バブルが弾けたり、奪えるだけ奪う精神が少し前の日本とダブります。
このまま行けば日本のみならず、世界からうなぎが絶滅するのも遠くないですが、日本では稚魚や成魚を国が買い取り再放流という方法や、養鰻業者の池入れ規制などで対策を進めています。でもこれはレッドリスト入りした翌年ようやくはじめたことで、去年からはじめた試みです。
「居なくなって気付いたんだ。君が誰よりも大切なことを……」
あ、これダメ男のセリフや。
うなぎは国内で食べられなくなるのか?
来年のワシントン条約会議で規制対象となるのはほぼ間違いないですが、「国内で食べられなくなるのか?」といわれれば、そういうわけでもないです。
ワシントン条約による規制は、ざっくりいえば「ウチが許可しない限り売らないし買わないよ」っていう決まり。保護対象の減少理由はほとんど何らかの理由により『乱獲』と『密漁』に行き着くわけで、その需要と供給の元を世界的に断ち切ればいいんじゃないか?という考えでもあります。
元々日本からろくに輸出をしていないだけに、これもうどうしたらわかんねぇな状態の規制である。
日本への輸出は中国が主に行っていて、中国は主にヨーロッパからシラスウナギを買っている。仮に日本が他国から『うなぎ』を買わなくなれば、輸入に頼っていた約10万tのうなぎの行く先が不明瞭となる。
上客がいなくなれば向こうの業者も手を引きはじめ、世界のうなぎのおよそ7割を消費している日本への商売はあがったりである。
相対的に国内のみで生産・消費することになり、資源保護にしっかり日本が取り組めば、いずれ資源量は回復していき、純国産のうなぎが食べれる機会が増える……かもしれない。そして世界中のうなぎも保護され、資源が回復していくかもしれない……という感じ。
これはいわば、日本人がどれだけ鰻を食べるのを我慢できるか大会ともいえる。