バラシマスター脱却法を考える~ヒラメ編【後編】

前編では主にトレブルフックをdis──ああいや、利点と欠点を主に書きました。

「なんでこんなに外れちゃうのん…?」という悩みを払拭させるための後編となります。


2013-11-04 22.18.33

・目次
シングルフックはバラし難い
アシストフックはカスタマイズしがいのある物
バレないドラグ設定とテクニック
最終的に、重要なのは”経験”

トレブルフックが「ひっかける」ことに特化したフックと前編でいいましたが、シングルフックは「逃さない」ことに特化したフックといえます。

シングルフックはバラし難い

シングルフックが何故バレにくいかというと、力の伝達効率が良く口の硬い所でも貫通しやすいのが一つ。二つ目にベンドカーブの深さにより魚が暴れるのをいなし、バレにくくなるという点。

他にもメリットとしては『障害物にかかる要素を減らせるために根掛かり対策』があります。ダブルフックもありますけど、大半の人がシングルフック化するいきさつとしてはこれが一番じゃないかなと思います。

ただ、ミノープラグには向いていません。トラウト用など5cm前後のミノーなら丸呑みするくらいなので丁度いいのですが、ソルト用の9cm以上ともなると、下画像のように掛かるビジョンが見当たりません。なにより泳ぎが変わってしまう恐れがあるので、初期状態でシングルでもない限り、自分で模索する必要性があります。


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口を完全に閉じた時にフックが口の中に入っている──。そんな状況を作り出せるならば最も針掛かりがいいのがシングルフックです。

そうなるとテール部分にシングル1本で十分なわけで、ルアーを追ってくるフィッシュイーター相手では最も効率が良くなります。シングルフック化するのであれば、メタルジグやレンジバイブなどボディが薄いタイプが向いています。

市販のミノープラグなどは流体力学などを元に開発し、トレブルフックを使用する前提で製品化しているので、フック自体の重量+受ける水流などが変化するとまともに泳がなくなったりとバランスを崩します。なのでシングルフックに変えることは一概に良いとはいえません。

ソルトでシングル推奨なのはGTかマグロ用くらいですね。20kg以上のサイズに耐えるトレブルとなると逆に食わせるのに効率が悪くなるので、太軸で耐久力のあるシングルを付けるほうが多いです。使うルアーがノンリップの動きがおとなしい(スイングアクション)タイプやポッパーなので丁度向いているってのもあります。

ゲームフィッシングと謳うくらいなら、魚をなるべく傷つけず捕れるシングルフックもしくはバーブレスが推奨されて当然なのですが、「(テール1本だ、やべえ!)…こういう時にこうすると他のフックも掛かりますクイックイッ」とするのもテクニックの一つではあります。

いってることとやってることが矛盾しているメディアアングラーも多いので個人の価値観次第ですね。

アシストフックはカスタマイズしがいのある物

メタルジグに何故アシストフックが多いのかというと、ルアーの側面にフックを添わせることが出来て食い込みがいい、またはアクセントになるのが一つ。

そしてフックを結ぶ糸が緩衝の役割を果たしつつ、メインラインから直線に繋がることによって高比重のメタルジグでも、遠心力でフックが外れることが理論上少なくなります。

もともと上下運動(意味深)だけで済む船上ジギングが先駆で、主に頭から食ってくる青物を効率的に掛けるために考えられました。最近はキャスティングモデルでもアシストフックが付いている物が多いです。

しかし、アシストフックもただなすがままに着けているだけではかかりにくい。
大半の魚は動きを止めている時にバイトしてくることが多く、ルアーのボディバランスとフックの位置によってはミスバイトが多くなります。

 

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フロントタイプといえどテーリング対策のためにこういう形にはなりにくいです。テンションを抜いた状態でのフォールでは、大半はリアとセンターのような落ち方をしますね。

フックは当然ルアーよりも軽いので、水の抵抗を受けて若干浮くということを計算しないと、長さのバランスがおかしい場合、魚種によっては全然掛からない恐れがあります。フックの大きさはルアーの幅より少し出るくらいが丁度いいかと。

ヒラメの場合は中心から後ろを食ってくるし、アシストフックの位置は中心より後ろがベスト。

ただ巻きならこれで丁度いいのですが、トゥイッチまたはジャーク主体となると、リアのアイに短い物を付けたほうがいいです。けれどもそういう動きでは中心部を食べてくることが多いので、どっちもどっちな感じがして、正直アシストを使うのは非効率ではあります。

ちなみに前にアシスト後ろにトレブルを同時に付けている場合、実践上はトレブルの方に掛かっていることが大半でした。結論付けるなら、ヒラメ相手にフロントアシストを使うのはもう好みの問題です。

市販の物は青物・シーバス向けに作られた比較的短い(中心より前気味)アシストが多く、私が使うヒラメ向け(中心より後ろ)となるとあまりというか全然ありません。比較的簡単に作れてコスパもいいので、自作するのもいいかもしれません。

アシストにはフックが1本、または2本付いている物があります。2本の方が多いのは「作るのが楽だから」です。1本でも2本でも、バラしにくさかかりやすさには大した違いがありません。


アシストフックは自作のしやすさが利点ですね。

 

ラインシステムを作る2【SHIMANO TV】

 

管付きなら鈴木斉さんの作り方で強度も問題ないです。管付きでなくても可能ですが、チモトが小さい物だとやりにくいです。

ボビンと細糸を使った仕上がりが綺麗な市販品のようなタイプは、ボビンホルダーやタイイングバイスが無くても作れます。

簡単にいえば軸に糸を添えてぐるぐる巻きにして、接着剤で固定すればハイ完成なくらい簡単です。私は最近このタイプで作っていて、ミシン糸をぐるぐる巻いて作っています。スッポ抜けたことは一度もないので強度的にも問題ありません。

 

バレないドラグ設定とテクニック

サーフで一番難易度が高いのが波打ち際の攻防、ここでドラグをいじらない人はバレる経験が多いんじゃないかなと思います。

ドラグは魚と対峙するために重要なもので、タックルの臨界点近くでスプールを滑らせラインを送り込むことにより、タックルの保護のみならず魚を効率的に弱らせることができます。

シーバスのエラ洗いを経験しているとわかると思いますが、あれは不意にテンションが抜けつつ、首振りの遠心力によってフックが外れやすくなるからです。対処法はロッドを倒して抑えこむ感じにするか、いっそ巻いて引っ張り続けるか。

サーフでの寄せ波と引き波のコラボレーションは、「エラ洗い」に相当すると思っています。引き波に乗って走られるとラインブレイクの要因になるし、かといって重量があるとある程度締めていないとあがらないジレンマ。

ドラグ設定に関しては、サーフにおいて正解はおそらくありません

魚の重量にもよるし波の状況次第でいくらでも変化するので、ファイトしながら調節できるくらいの余裕は欲しい所。ドラグを出さず揚げることも可能ではありますが、魚に主導権を与えず走らせないことが先決で、ロッドがよほど高性能・高耐久でないとできません。

(10:50辺り)井上友樹さんの井上ファイトがいい例ですが、高弾性で強靭に作られたロッドでしか同じ芸当はできません。各社のヒラスズキモデルになると磯場でのぶっこ抜きも考えられているので、こういう強引なやりとりも出来ます。

ロッドに至っては「性能=値段」が最も顕著な釣具なので、魚を捕るためならステラやイグジストに思いを馳せるより金をかけるべきだと思います。

私は「スポーン」と抜けそうにないのであれば、波打ち際近くまで寄せたら、ロッドを立てて魚の重みでジリジリ出るくらいに調整します。このくらいなら波打ち際でも常に巻いていれば一定のテンションを保てますし、急な突っ込みにも対処できます。

波が高い時には引き波の力も強くなるので、ドラグは緩めにしておいた方がいいです。

早く浮かせすぎて波に乗らせてしまうとテンションが抜けるので、高低差の無い遠浅サーフでは、引きを楽しむつもりでゆったりと、ロッドを地面と水平にして浮かせ過ぎないようにやりとりするのが基本です。

ですが、磯場とか周りに人が多いとかで速攻引き寄せる場合にはそんなこと言ってられません。そういう場合にはタックルのパワーが重要になります。

ぶっちゃけると”値段”ですが、対象よりワンランク上のロッドとラインが必要不可欠になります(リールは二の次)。

ワラサ(3kg前後)フィーバーするサーフは多いですが、釣れだすと等間隔でアングラーがひしめき合い、マッハで揚げないと恨まれるレベルです。これをゴリ巻きで寄せるにはブリ(8kg近く)で余裕があるタックルが必要になります。

シーバス・ヒラメ用では時間がかかるだけで周りから白い目で見られるので、瞬殺するためにはショアジギングモデルくださいなと店員に相談しましょう。図太い神経を持つ人ならそのままでもいいです。

 

最終的に、重要なのは”経験”

魚を掛けるまでは運の要素が強く、掛けてから揚げるまでは技量の要素が強いと考えます。
アングラー側の技量が問われるのがファイトであり、これは値段でカバーできるものじゃありません。技量っていうより経験が何より重要です。

「バラした」というだけなら簡単ですが、「どうすればよかったのか?」を考えることが経験につながります。

『磯場のヒラスズキや青物など、岩に触れればどんなラインでも切れるような状況でも捕るためにはどうすればいいか』

──より強靭なタックルで問答無用にぶっこ抜くのも正解ですが、行ってほしくない方向に行かせないように”魚をいなす”のが正しいです。

メディアに出るアングラーはこの経験が一般よりはるかに多く、そんな時の対処法が考えるより先に動いているのがわかるかと思います。フッキング時にドラグを出している人も少ないはずです。

ドラグずるずるでスプールに巻いたラインが足りれば、PE0.8号リーダー16lbでも10kg近いブリが不意にサーフで来ても、時間こそかかりますが誰でも捕れます。

根掛かり要素がほぼ無いサーフであれば、とりあえずガチッとフッキングして、あとはテキトーにドラグ滑らしてやりとりすれば大抵の魚は捕れるわけですが、そこだけしか経験していないと、根が多い箇所に入った場合の対処がどうしても遅れてしまう。

でも総じて人が”やりにくい”と感じる場所にこそ魚はいるもの。

色んな場所を経験するのも手っ取り早いですが、何故?と考えながら模索していれば自然と知識もつき技術も向上します。釣り堀に行ってみて、サイトでたくさん魚をかけて釣り上げるのが一番の技術向上法です。釣り上げないと経験は積まれにくいですしね。

最後にまとめると、バラシ軽減をするのならまずフックの点検は必須事項であり、次にあわせが正しくできていたかどうかを考え、乗ってからは技量と経験が物をいうって感じです。

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