尊敬語で釣行記in馬込川【スズキ様】

私は忘れていたのかもしれない。それは、自然への敬愛の念でございます。

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風:北西4m 波:外2.5m 水温:失念

この先を行くと砂丘がお見えになります。

こう…何か昂ぶる物を覚える道筋でして、本日はどのような出会いを私に授けてくださるのかと、いつも考えております。しかし、このような暑さになるとはつゆ知らず、当方既に汗ばんでおりまして、早くも前途多難な朝になろうとしておりました。

海岸線に立ちますと、思っていた以上に遠州灘様の波がお高くございまして、水色のお加減も悪いようであります。さしもの私めでも、ほんの数回投げさせて頂いたのではございますが──

「魚釣りが成立しないのではないか」と…、幾ばくか心中に暗を感じざるをえませんでした。


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…それならばと、少々歩かせて頂き、馬込川の河口へと歩を進めた次第でございます。

到着する頃には満潮を迎える予定でして、潮が干潮へとお動きになられる所、外洋へとご出発なされそうなスズキ様をお待ちになろうと考えたわけであります。

スズキ様は”浅はか”とお思いになられるでしょうが、私にはもう、この道しか残されておりませんゆえ、お許し頂きたく存じ上げます。

──余談ではありますが、わが市に本社を構えるスズキ様ではございませんので、お間違いなきよう。

 

シンキングペンシルより始め、流れがお止まりになった頃、バイブレーションで丹念に丹念に、貴方様にルアーをご提供するために投げさせて頂きました。

川が海原へとお流れになった時、絶好の機会かと思いました。下層をドリフトで通させて頂いたり、中層から上をダートで思わずお食べになられるような動きで、貴方様をお誘いしておりました。

この身を汗で溶かしながら、こちらからは見えなくとも、たとえ偽物であるとしても貴方様への給餌を精一杯させて頂きました。…スズキ様、ならびにチヌ様、そしてヒラメ様にコチ様と──、

非常に残念ながら、貴方がたのお姿を拝見することは叶いませんでした。

 

一度だけ、ほんの一瞬でした。もしかして私の見間違いかもしれませんが、スズキ様が海面を割ってお姿をお見せした瞬間がございました。あのお方と出会えることが叶わず、非常に残念に思います。

しかし、別のお方に出会えることができました。

 

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これは…、とてもぬるぬるでいやらしいおつゆの容器ではないでしょうか。

どなたのお忘れ物かは存じませんが、どのような経緯で、ここに流れついたのかが気になります。
海岸で出会った貴方様は、一体どのような旅をしてきたのでしょうか…。

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